A VIDA EM ROSA

日本文化とポルトガル語を愛する私の部屋。

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ポリプテルス・ビキールとナポレオン

ええと、そろそろ忘れられそうな頃なのでブログ書きます(汗)
ただ今日はいつもにも増してマニアックな話しなので興味の無い方にとっては読むのが非常に苦痛な内容になっています。予めご了承下さい(笑)

先日非常に高価な古代魚を買ってしまいました。
古代魚っていうとシーラカンスなどが有名ですが、要するに古生代から殆ど姿を進化させずに現生に生き残った魚類の俗称です。
そんな古代魚の中で特に私が長年没頭しているのが「ポリプテルス」とよばれる古代魚。
まるで恐竜のような姿はとても魚とは思えないなんともミステリアスなムード漂う魚なのです。

最近「エンドリケリー」という名前を聞いた事がある人もいるでしょう?
KinKi Kidsの堂本君がやっている例のソロプロジェクトです。
エンドリケリーというのは、まさにポリプテルス科を代表する一種であり古代魚界でも絶大な人気を誇る魚なんですよね。
堂本君のようにエンドリケリーにハマッている人々は通称「エンドリマニア」と呼ばれています。
そして私もそんなエンドリマニアの一人なのです。しかも、相当に熱心な..........

さて、そんなポリプテルス科の中で最大級かつ最高級に位置する種が「ポリプテルス・ビキール・ビキール」(Polypterus bichir bichir)です。
私が先日買ったのが紛れもなくコイツなのです。
「ビキール」.....この魚について語るには時代を18世紀のフランスまで遡らせなければなりません.....

「ナポレオン=ボナパルト」の名前を知らない人はいないでしょう。
そう、神聖ローマ帝国を滅ぼしたあの偉大なるフランスの皇帝です。
彼が今なお母国フランスにおいて絶大なる人気を獲得しつづけ、且つかように世界史の英雄として君臨し続ける理由は彼の実績が軍功に留まらず、学術的側面においても多大なる功績を残した事にあるのです。
例えば日本の現行民法典はその基本ベースをナポレオン法典においていますし、何と言ってもその学術的功績で顕著なのが1798年より行われたエジプト遠征です。

もとより、この大遠征の直接目的はインド・イギリス間の交易路を断つ事でした。
ただ、功名心の人一倍強いナポレオンはこの遠征を単なる軍事遠征に終わらせませんでした。
彼はかかる軍隊に200人に及ぶ学者、技術者、画家らを同行させエジプトにおける大々的な学術的調査を実施したのです。
結果として主目的であった軍事の面においてはこの遠征は失敗でした。地中海の制海権については、彼の宿命のライバルとも言えるネルソン提督率いるイギリス艦隊に敗れ去りあえなく挫折。さらに追い打ちをかけるように第二回対仏大同盟が結成されます。
母国よりこの報を受けたナポレオンは未だ駐在する軍隊を置き去りにしたまま母国フランスへ引き返すのです。

話は脱線するのですが、ナポレオンが母国へ帰国する事を決心する場面を描いた有名な絵画がこれ
img258.jpg
ロマン主義の画家ジャン=ピエール・フランク作「L'allegolie de l'Etat francais avant le retour d'Egypte」

数年前、横浜で開催されたルーブル美術展にこの絵が来た時、「やった!」とばかりに横浜まで高速を飛ばし見に行ってきました。
芸術的な素晴らしさは私などが言うまでもなく絶品なのですが、この絵が面白いのは紛れもないプロパガンダ絵画だという点なんですね。

女神に扮したフランスがナポレオンの夢の中で必死に助けを求めている場面なのです。
「ようし、まってろすぐ行くぞ!」と飛び起き、剣を手に取る何とも勇ましいナポレオン。この絵は彼の英雄象を高めるために描かれたものであることは言うまでもありません。
その実、彼が軍隊を放ったらかしにしてフランスへ飛び帰った理由は他にありそうなのです。
どうもジョセフィーヌが浮気している.....との噂を聞きつけたからではないか?などとも囁かれているんですが、さて真相は?

ナポレオンについてはいずれこのブログで連載を考えている「ハプスブルク帝国サイドストーリー」(仮名)でまた興味深いエピソードを紹介するつもりです^^

さて、取り残されたナポレオン遠征軍ですが、途方に暮れる軍人達をよそに、学者達はひたすらエジプト当地の学術調査を続行しておりました。
そんな中で発見されたのがかの「ロゼッタストーン」です。
この発見がどれほど画期的なものだったかと言いますと、この石碑には、古代エジプトの民衆文字・古代ギリシャ文字・ヒエログラフ(神聖文字)がそれぞれ並べて刻まれていたのです。
つまりこれによってヒエログラフの解読が初めて可能となったのです。
最近、フランス語・イタリア語・スペイン語などを同時に併記した辞書などが出ていますが、ロゼッタストーンはまさに古代版多言語解読辞書という訳ですね!

このロゼッタストーンと並んでかかるエジプト遠征の大成果と言えるものがもう一つありました。
それこそが、何を隠そう「ポリプテルス・ビキール・ビキール」の発見だったのです!
著名な博物学者ジョフロア・サン=チレールはナイル川の魚類調査において現生魚類とは明らかに異質な一匹の魚を発見しました。
遠征より帰還した翌年の1802年、ジョフロアはこの魚を Polypterus bichir として学会に報告。
ポリプテルスの発見が貴重視された理由はその形態的特徴にありました。
この魚はシーラカンス、肺魚、チョウザメなどの他のあらゆる現生古代魚類だけに見られる特徴を兼ね備えるキメラのような形態を持っているのです。
これは進化のミッシングリンクを解く上で貴重な研究材料になる事を意味していたのです。
ジョフロアと同国の天才博物学者キュビエは「この魚が発見されただけでもエジプト遠征した甲斐があった!」という有名なセリフを残しています。

さて、ポリプテルス・ビキールがいかに学術的価値ある古代魚かお分かり頂けたでしょうか?
私がこの魚にたまらなく惹かれるのは、その究極とも言える形態美もさることながら、その背景に滲む膨大な歴史的・学術的ロマンの為なのです。
ナポレオンが発見したこの貴重な古代魚が今、私の目の前で泳いでいるのですよ!
眠れない夜が続くのも当然ではないですか!

CAKSKHRY.jpg
これがビキールです^^

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プロフィール

カカセオ

Author:カカセオ
年齢・性別不詳。
使用する言語は日本語・ポルトガル語。
「美しい人生とは?」を常に追い求めています........
歴史の話、語学の話が大好きです。

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