A VIDA EM ROSA

日本文化とポルトガル語を愛する私の部屋。

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7号室のニンカ?

Ja faz muito tempo que eu nao tenho escrito este blog

と言うわけで久しぶりに顔を出しにきました。
こうまで間を開けてしまうと、ブログとはいえ何か遠く離れていた故郷へ帰郷したようなある種のノスタルジーすら感じてしまうものです........

「人間、一つの場所に長くいるとそこが自分の場所になる」
なるほど確かにそうですね。

さて、実はこの所ずっと一つの海外小説を探しているのですが、見つからなくて困っています。
確か私の記憶では「7号室のニンカ」というタイトルだったと思うのですが、ネット検索しても出てこないのです。
作者も全く覚えていないのですが、確かロシア文学だったような気が....

ストーリーはこんな感じでした......

主人公はニンカという名の貧しく、器量の悪い女の子なのです。
彼女が住む街へあるとき一人のハンサムな男の子が引っ越してきます。
その男の子は引っ越し先の子供達に馴染む事が出来ずいつも一人ぼっちでいるのです。
そんな彼をいつも遠くから見守るニンカ。
そう、彼女はその男の子に密かな恋心を抱いていたのでした。
ある日、彼はいじめを受けた事が原因で近所の子供達と喧嘩になってしまいます。
多勢に無勢の中、ニンカだけが優しく彼に近づき、彼をいたわろうとしたのです。
ところが、彼はそんなニンカを冷たく拒絶するのです。
「お前、自分の顔を鏡で見たことあるのか!」
このような冷酷なセリフを投げつけられたニンカは泣きながら逃げるように自宅へ帰るのです。

そして、その後のシーンがいつまでも私の印象に深く残っているのです.....

泣きながら帰宅したニンカは出迎えた母の胸にすがりつくのです。
ひとしきり泣いた後、ニンカは何気なく母の顔を見上げます。
そのニンカの目に映ったのは

「ニンカと同じく醜い母の姿だった.....」

私はこれほどまでに残酷で胸を打つ一文を他に知りません。
この小説を初めて読んだのは私がティーンエイジャーの時でしたが、その後歳を重ねるに従いこの一文に対する切なさがより深くなっていくのです。
今の年齢になってあらためて私は素直に思うのです。
自分の姿形が自分の愛する人によって全否定された悲しみ。
こんなに辛いことはそう多くはないのでは。



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葉桜と魔笛

今日はひとつの小説を紹介したいと思います。

太宰治「新樹の言葉」に集録された短編小説「葉桜と魔笛」です。
この小説は高校の時の教科書に載っていて、当時からとても印象に残っていたのですが、最近読み返してみてやはり名作だな~と再認識させられたものです。

小説の舞台は日露戦争下のとある城下町。
18歳の姉と16歳の妹が主人公です。
既に母親は他界し、姉妹と父親の3人家族なのですが、妹は腎臓結核を患っており余命幾ばくもない状態。
物語は既に年老いた姉がその当時の様子を回想しながら進んでいきます。

病に伏せる妹に届いたM・Tと称する男性からの一つの手紙.......
大喜びすると思っていた姉は妹の意外な反応を目にするのです。
そこには妹の悲しい真実が........

その数日前、姉は妹の箪笥の中から意外な秘密を知ってしまうのです。
それは妹の恋人M・Tから届いた数通の手紙でした。

妹に恋人が居た.......

それまで恋のひとつも出来ずに死んでいく妹をただ不憫に思っていた姉は衝撃を受けます。
しかも手紙を読み進むうち、彼女らの交際が単なるプラトニックなものでなく、既に一線を越えていることを知るのです。

一瞬妹に嫉妬を覚える姉。

姉自身、亡き母に代わり家事を全て任され、妹の看病に追われる毎日。
とても恋などする時間は無かったのです。

しかし、そんな一瞬の嫉妬もすぐに深い同情へと変わります。
最後の手紙に書かれた内容は、妹の病気を知ったM・Tからの一方的な別れの宣告だったのです。

全てを知ってしまった姉は、恋人を装い妹に偽の手紙を出すのです。

....あなたに別れを告げたのは、決して愛が失せたからではなく自分に自信がなかったから....
...私はあなたをまだ愛している。その証拠に毎晩6時にあなたの家へ行き、屏の外で口笛を吹く...

こんな偽の手紙を書いた姉は、自分が恋人を装い、毎晩6時に口笛を吹くつもりだったのです。
ところが......妹は知っていたのです。この手紙は姉が書いたものであることを。
なぜなら、そもそもこの恋人M・Tなる人物は実在しない人だったのです。
そう、M・Tからの手紙は全て妹が自分自身で書いたものだったのです。

「あたし、あんまり淋しいから、おととしの秋から、ひとりであんな手紙書いて、あたし宛に投函していたの......あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった......ああ、死ぬなんて、いやだ。あたしの手が、指先が、髪が、可愛そう。死ぬなんて、いやだ、いやだ。」

こうつぶやくやせ細った妹を姉は泣きながらそっと抱きしめるのです。

その時.....
二人は思わず耳をすませます。
そう、確かに聞こえるのです。口笛の音が.....
時計をみるとちょうど午後6時......


美しい小説です。
15分もあれば読めてしまう短編小説ですが、私にとっては生涯印象に残る作品ですね。

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プロフィール

カカセオ

Author:カカセオ
年齢・性別不詳。
使用する言語は日本語・ポルトガル語。
「美しい人生とは?」を常に追い求めています........
歴史の話、語学の話が大好きです。

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

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